今どきハローワーク?地方企業だからこそ効果が出やすい採用マーケティング

「うちは地方の中小企業だから、なかなか人が来てくれない」 地方を拠点に事業を展開する企業の経営者と話していると、そんな嘆きをよく聞きます。 でも、それって本当でしょうか? [outline]

知名度の問題ではない

確かに、都市部が本拠地の会社や大企業と比べれば、知名度が低くなるのは仕方のないことなのですが、そこで勝負が決まっているわけではないのです。 「もし知名度の問題なのだとしたら、どのような手を打っているのですか?」 と聞くと、ハローワークや地元新聞の折込チラシに求人掲載しているという回答が少なくありません。これでは何やら矛盾しているというか、何もやっていないに等しいと思うのは私だけでしょうか。。。

ハローワークも良いけれど

求人媒体を選ぶ前に、そもそも論として、どんな人材が欲しいかを端的に言語化できていますでしょうか? どんな人に来て欲しいかを決めていないのに求人広告を打つのは、目をつぶって銃を撃つようなものです。たまさか当たることはあるかもしれませんが、まずヒットすることはないでしょう。 あるある話として、中小企業経営者の方に欲しい人材像について質問すると、「明るくて、元気で、頭が良くて、フットワークが軽くて、コミュニケーション能力が高い人」といった回答が返ってくることがよくあります。 でも、そんな人材っているのでしょうか。。。 もしいるとしたら、どこにいるのでしょうか? マーケティングの観点から考えると、ターゲットが決まっていないのに、媒体だけ決めているっておかしいですよね。

どうやって欲しい人材像を明確にするか

求人媒体の話に入る前に、実は、経営者や人事の目線でどんな人材が欲しいかを表現したらダメなんです。 なぜなら、概ね自社の従業員の方の問題点に着目して、それを解決しているような人材が欲しいというケースが多いからです。 じゃあ、どうやってターゲットを設定するのかというと、今いる従業員の問題ではなく、動機にフォーカスしていただきたいのです。 従業員の中で、自社へのロイヤリティが高く(組織へのロイヤリティの定義はさておき)、長期に亘って勤務している方がいらっしゃると思います。 もちろん、長期間勤務している方でも、実はただ組織にぶら下がっているだけという方はNGですよ。フォーカスしていただきたいのは、健全な意味で自社に勤めている人です。 彼らは一体どうして御社に長く勤めているのでしょうか?その要素を抽出することがまずもって必要です。 そして、それを御社の魅力として言語化したものが採用コンセプトであり、御社が採用すべき人材像です。 ちなみに、特定のスキルセットを持つ人物が欲しいという場合は、また話が別になります。その場合、多くは人材紹介会社を使うのが現実的です。

どこで情報を発信するべきか

さて、ここまでできて、ようやく情報発信を行う段階に至ります。 ここでも焦りは禁物で、ターゲットが決まったらすぐにハローワークだ新聞折り込みだweb広告だという媒体選びを考え始めるのは早計です。 御社の情報に触れてもらうことは間違いなく重要なのですが、触れてもらいさえすれば面接に来てくれるのかというとそうではありませんね。今はインターネットであらゆる会社の求人情報が手に入る時代です。どこに応募するのか、求職者はシビアに選定しています。つまり、求職者の目に御社が魅力的に映らないと、せっかく検索にヒットしても見向きもされないという状況になってしまうのです。 採用情報を発信する時に大事なのは、求職者の行動を逆算して、順を追って必要な情報が提供されるようにプロセスを組んでいくことです。 御社の求人情報が求職者の目に留まり、興味を持ち、納得して、エントリーする。これが理想的な流れです。 これを1つの求人媒体内で完結できるものも存在します。リクナビやマイナビなどのリッチな情報提供が可能な媒体がそれにあたります。 しかし、それらにも重大な落とし穴が存在します。 どんな媒体でもそうですが、外部に情報を掲載している以上、それは御社内に情報資産を蓄積することにはならないという点です。 せっかく魅力的な文章を書いたり写真を撮影したりしても、外部の求人媒体は掲載期間が終了すれば、コンテンツとしての命を失います。投下した時間もお金も使い捨てになるのです。とても勿体ないことですね。 では、どうすれば良いのかというと、ベタに聞こえるかもしれませんが、自社サイトに採用にまつわる様々な情報を掲載するのがベストです。 そうすることによって、記事製作にかけた貴重な時間とキャッシュが、自社内に情報資産としてどんどん蓄積されていきます。媒体としてどんどん成長していくイメージです。ここが一番重要なポイントです。 貴重なリソースを外に投げてしまうのではなく、まずは内に貯めていきましょう。

どのように採用情報を見せるべきか

自社サイトへの採用情報掲載で、よく見かける光景は、コーポレートサイトの1つのメニューとして採用情報が存在していて、募集要項(+α)が掲載されているというものです。 これは残念ながら、現在の定石を外しています。 今どき大切なのは最初から最後まで相手目線。そうだとすると、コーポレートは誰のための情報提供かというと、顧客や社会といった類のステークホルダーへの情報がメインになっているはずです。つまり、求職者が知りたい情報の一部ではあるけれど、そのものズバリではないのです。 求職者が知りたいのは、御社のリアルです。 自分が入社してからどうなるんだろうということがありありと想像できる、脚色されていない情報を手に入れたいのです。 そういったことを十分に伝えるためには、やはり、採用情報専用のサイトを設けることが必要です。

媒体選びをどうするか

採用情報の本丸として、自前の専用サイトを設ける。これが前提としてあった上でその情報をどうデリバリーするのかということを考えて参りましょう。 ここまでのプロセスで既に抽出した採用ターゲットにどうやったらリーチできるのか。求職者の方は、どのような行動を通して求人情報を得るのだろうか。求職者の立場に立ってリアルに想像してみることが大切です。 例えば、20代を採用したいのにFacebookに情報を展開したり、新聞折り込みに求人情報を掲載してもリーチすること自体が難しいでしょう。逆にシニア採用がしたいのにネット媒体に情報掲載してもなかなか見てもらう機会は得られないと思います。

SNS

SNSでの採用については、それだけで1つの記事になるくらい説明がながくなるのですが、地方の企業であれば、最初から手を付けるべきではない。とお伝えしておきます。首都圏では有名なWantedlyなどがありますが、地方ユーザの登録者数は極端に少ないです。Uターン、Iターン狙いの企業であれば、積極的に活用してみるのはアリです。

indeed

2019年6月の時点で、地方に於いてどの媒体が良いのかというと、indeedはまず押さえておくべきでしょう。これは全国どこであろうとです。indeedはかなりの広告費をかけて認知度の向上に取り組んでいる媒体ですし、最近の求職者の行動によく合致した媒体であると言えます。

ハローワーク

ハローワークは無料ですし、最近では、ネットに情報掲載することもしっかり行っていますし、わかものハローワークや新卒応援ハローワークといったサービスも展開されていて、以前よりは掲載することの価値がだいぶ上がってきました。

新聞折り込み

新聞折り込みは、40代後半以上の層にリーチしたいのなら、依然として有効です。ただ、新聞購読者数は全国的に見て、2010年以降減少の一途を辿っています(一般社団法人日本新聞協会調べ)。従って、これからはどんどん効果性が下がっていくと見て間違いないでしょう。 ちなみに、地方だと、ハローワークに掲載してもネット媒体に掲載しても同じ人が見ていて、応募に差が無いということを仰る方もおられますが、本当にそうであれば、ネット媒体への掲載を取りやめれば良いのです。ハローワークからの応募であろうと、ネット媒体からの応募であろうと、きちんとした就業意欲がある方は、その会社のホームページくらいは見て来るものです。自社サイトを持つというのは、こういった点でも安心ができるのです。 もし、御社が今、自社サイトでしっかりした採用採用を展開できていないのだとしたら、時間はかかりますが、まずはそこから始めてみては如何でしょうか?]]>

この記事を書いた人

山本 浩平