ザイアンス効果(単純接触効果)を利用したスタッフ面談制度です!
ザイアンス効果(単純接触効果)とは
ウィキペディアを見るとザイアンス効果はこのように説明されています。
単純接触効果(たんじゅんせっしょくこうか、英: mere exposure effect)は、(閾下であっても)繰り返し接すると好意度や印象が高まるという効果。1968年、アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが論文 Zajonc (1968) にまとめ、知られるようになった[1]。ザイアンスの単純接触効果、ザイアンスの法則とも呼ばれる。対人関係については熟知性の原則と呼ばれる[2]。(wikipediaより)
要するに、「1回あった人と何回も知っている顔見知りとでは好感度が違う」という法則です。
当たり前のように感じられると思いますが、僕達の社会、特にメディアは驚くほど、この法則に忠実です。
CMは何度も何度も同じメッセージを打ち出していますし、アイドルは少しでもイイので、顔を売ろうとしています。選挙でも毎回落選しているのに、毎日街頭演説をしている候補。これらが全てこの法則を理解しているとは思いませんが、結果としてこの効果を期待しているような行動になっています。
そもそも離職はなぜ起こるのか?
では今回のテーマの離職ですが、そもそも離職はなぜ起こるのでしょうか?
平成25年若年者雇用実態調査の概況|厚生労働省では
1位:労働条件が合わなかった
2位:人間関係
3位:仕事が合わない
4位:賃金
5位:会社の将来性
となっています
平成25年若年者雇用実態調査の概況|厚生労働省より
労働条件と賃金が重複していますが、この2つは経営面から見るとどうしようもない可能性もあります(可能性です)となると、我々中堅中小企業としては、出来ることに集中します。
つまり人間関係・仕事があわない・会社の将来です。
会社の将来に関しては、前回のブログでひとつ参考になる話をしているので、ぜひ御覧ください
→自社のミライを形にしよう!組織図を使った中小企業にオススメの採用施策
じゃあ、あとは2つ人間関係・仕事があわない(と感じた)です。
解決可能な課題は基本コミュニケーションで解決できる
この2つをよくよく見ると、これは両方共コミュニケーションで解決できる内容なんですね。
人間関係はまさしくコミュニケーションですし、仕事があわないということに関しても非常に主観的な内容です。全てではないものの、上記データが若年層を対象しているわけですから仕事に対する理解が浅い、視野が狭くなっている可能性も否定できません。
もしそうだとすれば、それは上長や会社の側がキチンとコミュニケーションを図ることで解決が可能だと考えることができます。そこで僕は当時、離職はコミュニケーションの改善で改善できると決めつけ(独断)改善施策を考えました。
それが毎月ザイアンス効果を狙った毎月面談。その名も5分間面談。
これが離職率を下げる5分間面談だ
内容は簡単です。
毎月全ての社員・パートさんと上長が面談をするだけ。それも5分間。
簡単でしょ?ただし条件が2つだけあります。
ひとつめは普段の事務所などとは違った環境で行うこと。会議室でもいいし、応接室などを少し借りてでもOK。喫茶店などでもいいですが、個人的な話になる場合もあるので、できれば避けたいですね。
ふたつめは人材の悩みや感じていることを記録すること。フォーマットは特に無くても大丈夫。ただメモ書きでもいいですが、毎月新しい内容を書き足していくことになるので、一人一冊ノートなどを用意するとイイと思います。このノートは必ず上長が書いて下さい。人材には負担にならないようにするのがミソです。
なぜこのようにしたかといえば、離職する人間に理由を聞いたときに出てきた悩みや想いを驚くほど上長が把握していなかったから。上長に先に話を聞くと、ほとんどが思い込みのような理由をもっともらしく説明をします。しかし、実際に退職しようとする人間に僕が話を聞くと、もっと多くの場合その理由はズレていました。
じゃあ、その二人はコミュニケーションを取っていなかったのかと言えば、そういうわけでもなく、少なくとも職場では会話はあったわけです。会話はあったけれど、お互い本音や深いところでの会話はなされていなかった。特にパートさんなどの場合の傾向が顕著でした。
最初は上長側にもっとコミュニケーションを取るように指導をするわけですが、なかなか改善しない。上長側も忙しくて、そこまで気がまわらないんですね。こういったときには場を作ってしまった方がいいんです。話しやすく、テーマが見えやすく、しかも気軽な。
そこで5分間、別室、フォーマットというカタチができました
導入当初のとまどいと結果
この制度をスタートした時、想像どおり現場からはとまどいの声があがりました。
「この程度の内容は普段話していますよ」
「わざわざ、別室にいく必要あります?」
まあ、これくらいは想定していたので、制度として取り組んでいただきました。
すると、1ヶ月、2ヶ月すぎると、少しづつですが、変化が起こります。
まず離職する理由の把握が明らかに変わっていきました。上長がキチンと状況を把握して、場合によっては離職の可能性を随分と前から理解できるようになっていったんです。
そしてその後に数値に表れます。離職率が徐々に減少していきます。これは面談回数が増えれば増えるほど顕著でした。(もちろん同時に上長側にコミュニケーションのとり方の研修などは行いました)
結果的に思うこととしては、接触頻度を増やし、双方の好感度があがる環境を作った上で、閉鎖空間でコミュニケーションの量を増やし、同時に質の改善もすることで、これまで相談できなかった、内容まで話が及ぶようになったんですね。
相談されたとしても全てに解決はできないですが、それでも話を聞いてくれたということで、不満は軽減されます。また実際に必要な改善箇所があれば、それを取りあげることもできます。情報が上がれば会社としても改善の手はあるからです。
簡単なことですが、会社が制度として推進することで着実に変化が起こるので、強くオススメしたい施策です。