人間関係の問題を解決するトライアングルマネジメント

こんにちわ。 engit山本です。   前回、大河ドラマ”真田丸”を題材に、トップと2番手の関係性について書きました。 (前回のエントリはこちら→「大河ドラマ真田丸に見た!組織のトップと2番手の関係 先日ある企業の人事責任者の方から頂いたご相談です。  

「社長から、今後の中核となる人材を選定し育成するプロジェクトメンバーに指名された。そこで何人か若手を選定したのだが、彼らの上司に当たる古参社員との関係性で頭を悩ましている。古参の上司と、若手の将来有望な部下という構造で、古参の上司もよい人物だが、今後幹部に育てていくには年齢と伸びしろという意味で難しいと考えている。なので育てる対象としては、若手社員であることは間違いない。ただ、だからと言って、上司の頭越しに、優秀な若手に目をかけると、いかにそれが浩平な評価であったとしても、上司がへそを曲げてしまうだろう。上司にもこれからも、若手社員の良き相談者として活躍してもらいたいし、だからといって遠慮ばかりしていられない。双方の立場に配慮しつつも、若手を育成し、組織を活性化していきたい。どのように進めていけばいいのか悩んでいる。」
ということでした。 皆さんであれば、どのようにこの状況を打開していきますか? 私はこのようにお答えしました。
「幹部という会社の屋台骨は、それを担当すること自体が大きな評価・報酬となります。そのため、通常業務に加えて、新たな役割を課すということで、彼ら若手の評価とし、その不可をかけることで成長させましょう。当面は彼らに金銭的な報酬や、社内での地位などの評価を与えないように気をつけるべきです。古参社員から見ても少し大変そうだなと思わせるような業務を担当させます。本人には役員などからその取組の重要性を内々に伝えてモチベートし、古参社員には大変だろうが(負荷をかける意味で、若手社員にやらせるので)相談相手になってあげてほしい。とそれぞれの内面を配慮したアプローチをしてはどうでしょうか」
  このやり方は私は昔からよく用います。古参社員も若手社員も双方とも会社の成長を願って頑張っており、かつ自分自身の成長や昇進、自己実現を求めているような前向きな人材であっても、むしろそういった人材だからこそ、お互いを意識し始めると、揉める事になります。 untitled-10     そういった場合には、お互いの意識のベクトルを相対する方向ではなく、共通の課題や共通の仮想敵に向けることで、双方のバランスと、能力の最大限の発揮、そして何より協力関係という組織に欠かせない状況を生み出すことができます。 sankaku     これは応用範囲が広いので、「トライアングルマネジメント」などと私は勝手に呼んだりしているのですが、こういった関係性を不自然ではないレベルで意図的に構築できると、非常にマネジメントがしやすくなります。 言葉で表現するのが難しいのですが、実践してみると案外簡単で、普段皆さんが仕事をしているときにもこういったテクニック的なやり取りを使っているかもしれません。   sankaku2  

人間関係の問題を解決するトライアングルマネジメント

 

例えばこういうとき1 営業の場面にて

  相手企業の社長に対してのトップ営業をしていた時のことです。1件が数千万規模の投資になるのでどうしても二の足を踏みがちな商品でしたが、論理的に考えれば、決済しない理由がないという状況でした。私が提案していたのは、1件単位の商品でしたが、その企業には同様の商品を複数件購入する理由もメリットもありました。ただ、額が額だけに心が決まらないという状況です。 私はその営業に伺う前に、複数件提案をし、決済をいただける可能性も十分にあると感じていました。ただ、それを私が迫ることは、相手にとって「契約を迫られている=もう少しよく考えたほうがいいのではないか?」と逆効果になる可能性もあると理解していました。 そこで、「社長、今ままでのお話で、複数件を発注する価値があることは十分理解いただいていると思います。ただ、私も額が大きいので、お気持ちもわかります。で、どうでしょうか。もし社長が複数件ご決済いただけるということであれば、上司に対して、私が責任をもって値引きの説得します。通常は行わない商品なので、簡単ではありませんが、社長がお任せいただけるならば、必ず説得します。お任せいただけませんか。」とお願いをしました。その後社長の了解をもらい、私はその決断を受けたうえで上司を説得し、結果稟議がおりました。 通常の値引き交渉かというわけではなく、前出のトライアングルの関係を意図的に作っています。顧客である社長と営業マンである私という相対する関係性から、値引きに対する決裁権を持つ私の上司という第三者を作り出し、社長と私のベクトルお互いに向き合っている状態から、少しずらして、上司とその決済を取り付けることに向けさせているのです。この取り組みの過程で社長自身も決済する決済しないという判断から、値引きを実施させて、よりよい条件で取引を成立させるという次の段階へと意識が変わっています。 もちろん信頼関係があっての話ですが、顧客との関係性で、課題を解決するときにあえて、第3の存在を設定することで、この課題を解決する仲間のような連帯感を生み、それが結果的に課題を乗り越えさせるという効果を生みます。 交渉が上手な方はこういったやり取りを特に考えずにできてしまいますね。  

例えばこういうとき2 部下がアイデアを出してきたとき

  今度は同じ組織内でのケースです。会社から求められた命題に対して、部下に検討するように指示を出します。例えば、現存商品の改善案を出し、新商品を解決するようなケースがわかりやすいと思います。 私も経験あるのですが、部下の成長のために、いろいろアイデアを出してみろというと、とんでもないアイデアや、非常に初歩的な間違いをしているにも関わらずそれに気づかずに、自信満々で報告をあげてきます。経験が浅いからこそなので、それは責められる話ではないのですが、とはいえ取り入れられるようなものではありません。 だから、却下し、指導をする必要があるのですが、本人は非常にまじめに真剣にアイデアを練ってきているケースが厄介なのです。本人は本気なので、どれほど理にかなっているダメ出しでも人によっては必要以上に傷ついたり、すねたりすることがあります。 上司との人間関係が良好であれば、これも大きな問題にはならないのですが、そうでないと一気にぎくしゃくしてしまいます。かといって間違ったものを採択もできない。こんな場合はどうでしょう。 私がよくやっていたのは、上司である私とアイデアを提出した部下という相対する関係者に、「工夫した点」という第3の視点を意図的に作り出し、そこを積み重ねるように指導します。   例えば、部下が意気揚々とアイデアを持ってきたら  
私「なるほど、なかなか面白いアイデアだね。どういった点を工夫した?」   部下「はい!〇〇の部分です!」   私「確かに考えたね(私からするとほめる程ではないが、まず受け入れる)他には?」   部下「他にですか?えっと、、、あ、XXの部分も工夫しました。それに△△の部分も!」   私「(確かに△△は多少考えたといえるかな)」  「なるほど!!△△か、それはいい。では、加えて◇◇という工夫をしてみたらどうかな?」   部下「あ、それは気が付きませんでした!」   私「ぜひやってみてまた教えてくれ!」   部下「わかりました!頑張ります!!」   ※以下同じ事を繰り返します。
  お判りでしょうか。本人が意気揚々と持ってきたアイデアのほとんどを採択せず、私が持っていたアイデアや経験に基づくアドバイスを本人が受け入れるようになりました。 これがなく、いきなり否定し、「それじゃだめだ!◇◇としろ!!」とやると、うまくいかないのは皆さんご理解いただけると思います。ここでは、『工夫』というキーワードで第3の視点を作り出し、上司である私も多少の評価ができる点を抽出します。こうすることで、部下は自分の意見を取り入れてもらえたと、満足します。一方で私の経験からくるアイデアや工夫をそれとなく下地とさせることもできたので、結果的に私の知恵・経験と、部下のアイデアを組み合わせさらに部下のモチベーションも上げることができます。 これはまさに第三の視点「工夫した点」というものを生み出し、そこに焦点を合わせたためできたことだといえると思います。 このようにトライアングルの頂点に来る第3の存在・視点を意図的に生み出すことで、それまで相対してきたあるいは敵対してきた関係を一気に仲間のような関係に組み替えることが可能になります。非常にシンプルな考え方で、共通の敵を作ると表現されることもありますが、この考え方は、必ずしも敵対関係ではなく2つ目のケースのように、チーム内・組織内の味方同士にも生まれる可能性がある、矛盾を解決する力を持っている点が少し違っています。 採用や人事面接などでも応用範囲は広いので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。 ]]>

この記事を書いた人

山本 浩平