組織のコミュニケーションを改善する3つの視点

こんにちわ。
 
engitの山本です。
 
先日ある会社の内紛の話を耳にしました。私も少しだけですが、内部に関わっていたので、情報が伝わってきたのですが、それまで(今でも)外部にアピールしている企業風土や社内の人間関係とは180度逆のドロドロとした話でした。
 
簡単に言うと組織に非常に貢献してきた2番手の社員(本来なら役員か、副社長という立場ででおかしく無い立場の方です)と代表との間に確執が存在しており、それがたまたま会社の経営危機に合わせて顕在化したとのこと。
 
たまたまというタイミングが本当に“たまたま”なのかということも怪しいですが、要はそういったタイミングに合わせて、2番手の方が他の社員や外部の顧客を連れて離反しようとしたらしいです。
 
今回のケースは会社の経営が、想定以上に悪化したという要因とそれまでの人間関係という要因が重なって起こったため、劇的な印象を受けますが、往々にして、組織に貢献している2番手3番手を代表が評価しておらず、不満がマグマのように溜まっているという状態は、実は良く聞く話です。
 
私個人が聞いた話で言えば、今年既に2件目+1です。(+1件は相談にのっていたりします・・・)
 
私自身も非常に応援していた会社なので、ちょっとショックでした。今回は少し趣向を変えてちょっと固めのこういった社内のコミュニケーションについて書きたいと思います。
 
sosiki

組織のコミュニケーションを改善する3つの視点

1.身近な幹部こそ、大事にされていない事実

 
実は上位役職者とその次席の方との確執というのは、代表と参謀役に限らず、部長と次長、課長と主任といった形で、組織の規模に限らず起こるのですが、わかりやすいので、代表と2番手(参謀役)を想定して話をします。
 
私が組織風土の改善などでお手伝いしてきたケースもそうなのですが、現代の企業経営者は昔に比べて、社員のメンタルやモチベーションというものに気を使うようになってきたようです。以前、数十年も中小〜大企業のコンサルタントとして活躍してこられた先生にお話を伺ったのですが、随分変わったそうです。
 
確かに私が社会人として仕事をし始めた頃に比べて、経営者の皆さんが組織風土という言葉や、モチベーションという概念自体を重視しておらえるように感じます。相談内容でそういう言葉が出ることが自体がその証拠です。
 
多くの場合は、「社員間のコミュニケーションを良くしたい」「もっと自社で活躍することに夢を持ってもらいたい」「経営幹部に育ってもらいたいので、中長期的な視野を持ってもらいたい」といった形で相談を頂きます。
 
そういったときに、よくアプローチとして行うのが、社員の方と上司が話す機会を持ち、可能であれば、そこで人生プランや家族や友人との人間関係、趣味嗜好などプライベートな事を本人が嫌がらない形で議論するように制度を作ることです。
 
例えばわかりやすいもので言えば、ライフプラン面談などと言われる面談を、わざと改まった形で行うなどです。効果は間違いなくあるのですが、面談者のスキルによりプライベートな内容を必要以上に聞こうとして関係が悪くなるなど、悪影響を及ぼすこともあります。そこでトレーニングと共通のツールを用意することで面談者のスキルの底上げをし、求める効果を出していくというアプローチになります。
 
ご提案すると、多くの経営者の方が受け入れてくださるので、取り組みは容易なのですが、私はまずこのように聞くようにしています。
 
「ところで社長、このスキームを導入するにあたり伺いたいのですが、幹部の◯◯さんの夢ってご存知ですか?」
 
いきなり言われるので、びっくりされる方が多いのですが、答えてもらうようにしています。すると、ほぼ100%の方が、「分からない」「海外旅行とかじゃないのかなあ?」と明確に答えてくださることはありません。
 
確かに社員のモチベーションを上げたり、中長期的な視野を持ってもらうことは重要です。しかし、一般社員以上にそういったことは幹部にこそ期待すべきです。しかし、多くの場合はその幹部のほうが大事にされていないのです。
 
大事にされていない、と書くと誤解がありますが、しかし幹部の方の視点で言えば、間違いなく「大事にされていない」なのです。

2.想いは言葉と態度に出さないと伝わらない

そういったことを指摘すると、ばつが悪そうに「そうはいってもわかってくれているはず」「そんなことを知らなくてもうまくいっているから大丈夫」などとおっしゃいます。終いには「内助の功や参謀ってそんなものだよ」という方もおられます。昭和じゃないんですから。
 
夫婦間でもコミュニケーションが十分でないことが多いのに、幹部だからといってそれが出来るわけがありません。などと意地悪なことは言いませんが、身近な人ほど粗雑に扱いがちなのはいつの時代も同じ。「そんなつもりじゃなかった」で相手の心が木津ついてからでは遅いですよね?
 
案の定、幹部の方の側に「自分は社長から大切にされていると思いますか?」と伺うとためらいがちに多くの方が首を振ります。昔はこういった場合に、頷く人が多かったのだと思います。
 
こういったケースの場合は、現場社員のモチベーションや意識を変える活動をする前に、もっと身近な幹部社員の方とのコミュニケーションを改善することをオススメします。同時に行うこともありますが、社員を優先して欲しいという場合には、お断りすることもあります。
 
上記のようなライフプラン面談などの手法は書店に行けばいくつも並んでいます。つまりツールとして導入することは実は外部のニンゲンの手を使わずともやろうと思えば出来ることなんです。こういった手法を聞いたことも無いし、見たことも無いという社長のほうが珍しいですから。ただ、やっていない、続けられていない。
 
弊社の縁故採用支援engitも同じで知っているけどやっていない、続けられないというところにこそ課題があります。同じ構造なんですね。話を戻すと、幹部の方を大切にできていない組織は結局社長一人で頑張っていて(のつもりの場合も多数)幹部の方の能力を発揮しきれていない可能性がありますし、場合によっては冒頭のように離反を招きかねません。
 
ライフプラン面談のようなものも、社長が忙しくて無理なら、幹部の方に任せればいいのですが、社長のイエスマンであったり、充分なコミュニケーションがとれていないと、それもうまく伝わらず結果尻窄みになってしまう。これが知っているけどやっていない続けられないの一因なのです。
 
私がご支援に入る場合は、原則問題解決の導入であり、自走的にその組織で運営がなされることを目指します。なので、社長と幹部社員とのコミュニケーションが円滑でない、爆弾を抱えている状態ならば、できればそこも同時に手をつけましょうということなのです。
 
ですので、改まって「君の夢はなんだったっけ?」なんて頬を赤らめて聞く必要は無いのですが、二人きりで飲みにいくなど、今すぐできる小さな一歩を踏み出してみませんか?とご提案するのです。
 
もし、冒頭のような組織で、このような取り組みが行われていたら、最悪の結果は避けられていたかもと思うと残念ですね。
 

3.幸せと感じる3つの条件

 
アドラー心理学という学問があります。アルフレッド・アドラーという学者が始祖で、最近はよく書店でも見かけるようになりました。
 
アルフレッド・アドラー (Alfred Adler、ドイツ語発音: [alfreːt aːdlɐ](アルフレート・アードラー)、1870年2月7日 -1937年5月28日)は、オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。ジークムント・フロイトおよびカール・グスタフ・ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。(中略)アドラーはフロイトの共同研究者であり、1911年にはフロイトのグループとは完全に決別し、個人心理学(アドラー心理学)を創始した。(wikipediaより)
 
アドラーが言うには人が幸福を感じるには3つのポイントがあるそうです。
 
 ① 自分のことを好き・OKを出せていること、許容できていること
 
 ② 他人は信頼できると感じていること
 
 ③ 自分は他人に貢献できていると感じていること
 
これがそのポイントです。
 
詳細は別の機会に譲りますが、例えば一つ前の世代の参謀役・女房役と呼ばれる組織の2番手の幹部のいる組織と、トップと2番手でコミュニケーションに課題がある組織を比べてみるとわかりやすい気がします。
 
例えば、ホンダにおける藤沢武夫氏をイメージして比較してみました。
 
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いかがでしょうか?やはりトップと2番手との問題は起こるべくして起こっていると感じてしまいます。上記の①②③を少しでも改善し、幹部の方も組織で活躍しながら幸福感を感じられるようにした方が組織の成果も間違いなく上がります。そのために①②③のどこからでも良いので、まずは相手に興味を持つこと、そして興味を持っているというメッセージを送ってみましょう。
 
一緒に飲みに行って、最近楽しかったことを聞いてもいいし、仕事で困っていることを聞くのもいいと思います。そこで、共感されたり励まされること自体が相手に対する前向きなメッセージになります。すぐには効果が出ないかもしれませんが、そのような小さな一歩を積み重ねていくのといないのでは、先々で大きな違いになって跳ね返ってきます。ただ、注意いただきたいのはそういう場で、仕事の話をこちらからしたり、叱責したりはNGです。違う意味で跳ね返ってきたら困りますよね(笑)
 
もし皆さんの組織や自分のチームでそのような状況があると感じられたら、何か小さなことでいいので、新しい取り組みをしてみてはいかがでしょうか。
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この記事を書いた人

山本 浩平