離職阻止は敏腕キャリアカウンセラーの相談力に学べ!

離職阻止は敏腕キャリアカウンセラーの相談力に学べ!

 

敏腕キャリアカウンセラーは転職を勧めない

  そのキャリアカウンセラーAさんともうお一人、敏腕営業マンBさんと私の三人でBBQ後の2次会でしこたま飲んでいたときの話です。 Bさんがとつとつと話し始めました。

営業Bさん「ちょっと前に、得先の若い社員と飲んだんですけど、そいつが言うんですよ。『Aさん 仕事楽しいですか?仕事は楽しまないと駄目ですよ〜笑』って。最初は腹立ったんですけど、でも確かにこの子ほど楽しそうにしてないかなと思ってね〜

キャリアカウンセラーAさん「そういう人キチンとヒアリングしていくと、大抵の場合考えが浅いですね。もし自分のところに転職の相談に来たら、一応僕はプロなんであえてそういう点をキチンと抑えていくんですけどね」

「え?その点を抑えにいくってどういうことですか?」

Aさん「まあ、目上の方にそういう感じで話をする時点で、ちょっとという感じですが、それは置いておいて、キャリアのカウンセリングをすると言っても、そういったライバルはいるので、相手の言い分をハイハイと聞いていては差別化できないんです。そういう方の表面上のニーズだけを聞いて、仕事をご紹介しても決まりませんし、他の会社と天秤にかけられてはこっちが迷惑なので、本気になってもらいます。そのために本人的には厳しいことも言うことで、こっちを向くんですよね。」

「厳しいことってどういうこと言うんですか?」

Aさん「ケースバイケースですが、今Bさんが仰った話を聞いただけだと、とてもプライドが高い人のように感じるので、結構キツくいうと思います。『今のままで良いんじゃないですか?』『なんで転職する必要あるんですか?』『転職しないほうが良いですよ』『多分できませんよ』みたいな」

私、Bさん「うわ〜〜(怖っ)」

Aさん「そうすることで、本気になる人もいますし、そのやり取りで本気になったら、他にはいかないですよね。逆に本気にならない人は時間のムダだと思って、一度よく考えることを促します。全部が全部ではないですが、結果的にそういったやり取りをした上で、転職をするほうがいい結果になることが多いですよ」

このお話を聞いて、なるほどなーと唸りました。唸りながら、確かに思い当たることも、自分の経験上も非常に理にかなっていると思いました。 よく、相談する人というのは、自分の意見はもう決めてあって、背中を押してもらいたい、あるいは反対されても、決めたとおりにすると言われます。逆に言うと、相談というもの自体が、本来の目的である結論の判断を素直に議論するというインタラクティブなものではないことが多いと言うことだと思います。 親族・友人・知人であってもそうなのに、初めて会ったキャリアカウンセラーにそこまで腹を割って話すというのはムリでしょう。だからこそ、上記のようなある意味反対の行動(転職を勧めない)ということでお互いの本音をぶつけ合い、キョリを縮めて、ベストな道を探るステップを踏むということです。 このプロセスを一緒に経ると、他のキャリアカウンセラーとは関係性の次元が変わるといったところでしょうか。 180度反対のアプローチで離職阻止!?

私は実は離職を申し出てきたスタッフとの面談で、同じようなアプローチをよく取ります。わかりやすく表現するとこのようになります。

キャリアカウンセラー  → 転職を勧めない   → 転職支援につながる 私(人事担当)     → 離職阻止をしない  → 離職阻止につながる

  急成長を続ける企業というのは入ってくる人も多いですが、退職を希望する人も必然的に増えます。仕方がない事情の場合もあれば、些細な出来事がキッカケの場合もあります。人事担当としては、せっかく活躍してくれている社員は、理由はどうあれ、できれば長く働いて貰いたいものです。一方で、本人からすると些細な出来事でも大事ですし、家族の健康など仕方がない事情などの場合は、本当に悩んだ上で、相談に来ることも多いわけです。 そういった場合に、私は”離職を阻止”するという役割上の役目は一旦脇に置き、最初にいつもこう宣言します。  
あなたが辞めたい、辞めたほうが幸せになれるということならば、私は一切止めません。
  これをお話すると、ほぼ全ての人がポカーンとします。急成長中などで、人が足りない会社の場合、社員もその事情はよく知っています。だから離職の相談に来るときには既に、引き止めを覚悟して、どうそれを納得してもらうか、ということを考えながらきます。 そういった方に、上記のように宣言すると、一瞬全てが止まったような感じになるんですね。見ていて、ほぼ全ての人のリアクションが一緒なので、不思議な感じですが、そうなのです。 その上で、「辞めたい、辞めたほうが幸せになれる」という点に関して、詳しく聞かせてもらいます。それは、離職したから幸せになれる場合もあれば、そうでない場合もある。離職しなかったからと言って会社は個人の幸せを保証はできない(離職したほうが良かった場合もある)。そういう思いを私がそもそも持っているからで、会社の都合でムリに引き止めるのはエゴだし無責任だと思っているからです。 だからこそ、私の立場からすると些細な問題(上司との意見の違い)であれば、上席者が対応することで解決することもありますし、そもそも冷静になってみると、離職することが本人に取ってメリットが無いこともよくあります。そういったことを一緒に検討できるポジションに立つという意味で冒頭のメッセージが重要なのです。

まとめ

 
  • 敏腕キャリアカウンセラーは敏腕だからこそ、相談されても転職を勧めない
  • 離職は180度逆の本音のアプローチから始める事で、阻止できることもある
  キャリアカウンセラーの相談力という言い方をしましたが、正直な話そういった仕事に限らず、人事を扱うということはどこまで言っても個対個になりがちです。その意味では、あいての立場に立つということを感情論や押し付けで行っては、まとまるものもまとまりません。 感覚的なことを排除し、こちらが自分の本音の意見を伝えて、相手との関係性を整えることが最初のスタートになるのです。私自身は離職阻止をしよう!と思って面談をスタートさせることはほぼ無いのですが、結果的にそういうお互いに前向きな結論になることが非常に多いので、離職やそれをどう少なくしていければいいのか?とお悩みの人事担当者様は一度試して見てください。本音で離すときっといい結果になると思います。]]>

この記事を書いた人

山本 浩平