「中小企業バンザイ!新卒採用を低コストで成功させる3つのアイデア」 私自身も、過去このアイデアの幾つかを活用してこんな結果を出すことができています。
- 無名の当社に、どうしても入りたいと自筆の手紙を書いてくる人材が複数
- 銀行の内定を取り下げて、当社に入社
- 内定者の中で辞退した人間が0(辞退率0%)
- 入社後、3年以内の離職率も0%
- 採用期間も、目標数をクリアし5ヶ月で完了
1.新卒採用におけるコストって?
1)新卒採用コスト=費用×期間
通常採用活動というものは、ほぼイコール広告費です。そして、面接を担当する人材の人件費(というよりも人手)はあまりコストとして予算化されることはありません。しかし、こと新卒採用そしてこと我々中小企業にとっては、ここもコストとしてみなして、削減策を考えることが重要です。 そこで、新卒採用コスト=費用×期間
と定義します。 こうすることで各項目に対して下げていくアイデアを考えていきます。2)費用の種類
次に費用の種類ですが、ざっと上げただけでも下記のようなものが考えられます。<外注する費用>
・広告媒体費用 ・合同出展などの費用 ・外部への支援・研修費用(コンサル?) ・説明会会場の利用費 ・SPIなどのサービスにかかる費用
<内部の費用>
・採用担当者の人件費 ・面接担当者の人件費 ・リクルーターなど支援に借り出す人材の人件費 ・電話応対などの費用 ・応対/面接担当者への教育費用 ・大学などへの往訪・営業費用 ・内定者への教育費用 ・内定者への交通費 ・食事会などの交際費 ・面接会場の費用
こうやって書き出してみると、内部の費用に関しては、大半が人件費であることがわかります。特に面接やリクルーターなどの人件費はほとんど考えられていないですが、大きなものになります。まだこういった人材がいるだけましで、多くの中小企業では、社長や役員が兼任しています。 また、面接官などへの教育研修なども行う必要があります。そういったことを一切顧みない会社も多いようですが。2.アイデア①:ターゲットを絞ったりまくった募集
ターゲットしぼる=無駄を省ける
これらの多くの費用を一度に下げるアイデアのひとつが採用したい人物像・ターゲット選定です。 どのような人材が欲しいか、どのような性格で、経験、嗜好性、印象、学歴、内容は各社ごとに違って良いのですが、大事なのはこれを明確に絞ることが重要です。そしてその条件に見合った募集活動に徹底することで、実は多く課題(費用)が解決します。 私がよくアドバイスするのは、欲しい人材をキーワード3〜5に絞り込みましょうということです。例えば、「挑戦」「活動的」「責任感」といったふうに。その上で、全ての募集内容をこの3つのキーワードに絞って書き換えます。こうすることでなぜコストが削減できると思いますか? それは- 本当に採用したいような人材の応募確率が上がる
- 採用担当者の選考基準が明確になり無駄がなくなる
- 結果、選考ステップの簡便化・短縮化が起こる
え、うちはやっている?
実はこの話をすると、多くの企業で「もうやってるよ」とか「なんだ、そんなことか」という反応が帰ってきます。 皆さんも、もしそう思ったのなら、聞かせて下さい。「御社の人材に求めるキーワードを3つで答えてください」
さあ、どうでしょう? おそらく答えに困った人が多いと思います。
これワタシ統計では、ほぼ100%答えられません。せいぜい「◯◯な性格で、☓☓といったところに優れていて云々」と長ったらしい文章で答える程度です。それが普通なので、仕方ないのですが、だからこそ、ここを変えていくと劇的に変化が起こります。
そもそも「どんな人物を採りたい」ということが鮮明になっていないということは、裏を返すと、採用した人材の質も担保できないということです。もちろん人間なのでゼッタイということはありません。
が、ある程度の共通項目さえ、お互い意識できていない状態ではやはり質のばらつきは否めないでしょう。だから、SPIなどの見極めツールなどもまだまだ幅を聞かせているわけです。
グループワークや様々な面接手法も編み出されていますが、その前段階ターゲットの鮮明化という点で改善の余地があるわけです。なので、ぜひ自社のターゲット選定を見直してみてください。
ターゲットを絞る手順
1)現社員で活躍している人材を抽出(できれば若手) 2)その人材に共通する項目を洗い出す(卒業校なども有効な場合あり) 3)自社の将来像を見据えてキーワード抽出ターゲットの次は見せ方
キーワードを絞って終わりではありません。自社がそのキーワードを重視していることを、そういった人材を正に今求めていることをアピールしなければいけません。ここまでがこのアイデアのポイントです。 キーワードを元にそれを伝える手段とうまく伝わる方法を考えます。そうすることで初めて、そのキーワードが真実味を帯びてきます。方法は色々あるのですが、比較的簡単な「先輩社員の声」を使った方法をご紹介します。
先輩社員の声で伝える(キーワードの見せ方)
1)上記キーワードを連想するような社員を選定(キーワード抽出時の社員でOK)
2)そのキーワードが出てきそうな質問項目を用意
ex.『この会社をキーワードで表すと?』『どんなときにやりがいを感じる』等
3)キーワードが直接出てこなくてもインタビューとしてそれらをまとめる
※これは外部のライターなどでは難しいかもしれませんが、ぜひやってみてください。
4)ホームページが新卒採用のサイトなどに積極的に露出させる
これらは最初手間がかかりますが、その後の採用活動プロセスでその効果を強烈に意識することが出来ると思います。
冒頭でも書きましたが、ワタシが大阪の介護関連企業で採用を担当していた時には
- 無名の当社に、どうしても入りたいと自筆の手紙を書いてくる人材が複数
- 銀行の内定を取り下げて、当社に入社
- 内定者の中で辞退した人間が0(辞退率0%)
- 入社後、3年以内の離職率も0%
- 採用期間も、目標数をクリアし5ヶ月で完了
3.アイデア②:他社と勝負どころを変えていく
採用期間の正念場を春→秋に
アメリカや日本でもIT企業などでは春の一括採用を見直す動きが激しくなってきています。色々な経緯があるので、春採用をゼロにするのは難しいかもしれませんが、例えば競合他社が落ち着く、秋頃に山場を意図的に設定してはどうでしょうか? 一般的に、新卒採用は大学4年の春〜秋頃が中心的な期間になります。しかしながら、実際には秋になっても(場合によっては)冬頃になっても採用活動をしている人材というのは多くいます。もちろんそれらの人材は他社から内定を取れなかった落ちこぼれのように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。 そもそも安易に大手を応募してしまって、自分が本当に行きたい会社なのか?などと迷う学生も多くいます。そういった学生は、やはり内定が取れない場合も多いのです。だからといって、そういった人材は能力がないのでしょうか?決してそうではなく、実は御社にとって優秀な社員になる可能性があります。 そういった人材は、秋頃には内定を取ろうと必死になっています。だからこそ、御社が光って見える可能性もあるのです。別に秋では無くてもOK
ワタシが実際に行ったのは、秋ではなく夏前くらいに山場を設定して、セミナーを行いました。具体的には「まだ内定が0なアナタに!実はそのほうが良かったかも?今から間に合う自分にあった会社から内定を取る方法!」(タイトルは違いますが)といった趣旨のセミナーを行いました。 そうすると、正にタイトルのようなことで悩んでおられる学生が多く参加し、その中で自社にも誘導することが出来るのです。いわゆるマイノリティ採用もあり
これは美容師や柔道整復師など専門職を採用する場合はよく聞くのですが、地方あるいは地方大学卒・浪人留年・女性・2次新卒などのマイノリティ層に絞って、募集を改めて行うということも効果的です。 これもたまたまそういう層が参加したということではなく、こういった層にターゲットを絞って募集活動を行っていくことが重要です。例えば、こういったことを負い目に考えている学生からすると、応募しようとしている会社に自分と同じような先輩が多くいればとても心強いモノです。 会社全体の姿勢を見直す機会にもなりますが、こういった小回りのきいた活動は大企業にはできない、中小企業だからこそ出来る戦略です。 もし、そういったことが業務に支障が出ないならば(ちゃんと考えれば出ることなど無いはずです)積極的にここも責めていきましょう。 これらのアイデアも勝負時期や対象を変えわけですから、コストダウン効果を狙えます。例えば、説明会の会場などは春はどの企業も多く開催するので、会場費が高騰します。時期をずらすことでコストダウンを図ることができます。これは春→秋の勝負時を変えることで実現できます。4.まとめと実績
今回は3つのアイデアをご紹介しました。このアイデアの幾つかを使った過去の実績とまとめを書いて置きます。
2014年新卒採用(業種:介護 企業規模:10億)
外部コスト:約50万円+サイト修正費用
内部コスト:採用担当(ワタシ)+パート1名
エントリー数:714名
セミナー参加数:250名
採用数:5名