新卒採用で競合の10倍の成果を出した話

 

新卒採用で競合の10倍の成果を出した話

 

1.不利な状況

当時私が所属していたのは、エントリではたびたび出てくる介護業界です。この業界も例にもれず採用には苦労が絶えない業界。私たちは介護業界の中でも、デイサービスを運営している会社で、新卒採用を始めるにあたり下記のような課題がありました。  
  • 業界のイメージはそれほどよくないこと
  • 会社としての知名度・ブランド力がないこと
  • 企業規模が小さいこと
  • 新卒採用では後発であること
  • 予算が限られること(数十万程度)
要するに業界全体のイメージもよくない中、競合にかつポイントが明確ではなかったという状況ですね。    

2.現状打破の作戦

こりゃ大変!と早速ひとり作戦会議です。色々悩んだ末に決定した、基本的な方針をこう決めました。  
 新卒採用大作戦の方針 1.介護系人材を狙いにいかない(主戦場をずらす)2.他社と違う企業文化にアピールポイントを徹底的に絞る(強みに集中)3.DMや会社案内は切り口を都度変える(PDCAサイクル高速回転)
  これは以前別のエントリで書いた「弱者の戦略」をあてはめ、後は動きながら考えるということです。 (参考「優秀人材を採用できる!中小企業だからこそ弱者の戦略7ポイント」) このときはこのように考えて方針を決めました。  
  1. 介護系人材を狙いにいかない(主戦場をずらす) 自社で活躍している人間の属性を見ると、介護系の勉強をしてきた人材よりもサービス業・接客業などで活躍していた人間が多かった。社内に人材育成の仕組みを構築し始めていたので、経験がある(学校などで知識がある)ことよりもコミュニケーション能力などを優先。社員で優秀な人間の卒業校を調べると、スポーツ系の専門学校が多かったので、ここをメインターゲットに。
  2. 他社と違う企業文化にアピールポイントを徹底的に絞る(強みに集中) 同様に、社内で会社のことを良く思ってくれている人材に、会社の良さを聞いていきました。ヒアリングと検討の結果、【若くてもチャンスがある】【自分の意見を言いやすい】【お客様の喜びの声が直接聞ける】などのいくつかのキーワードを選定しました。ちなみにこのとき工夫したのは良い点だけ聞かずに悪い点と良い点を教えてと聞くことで、こうすると意外とみんな本音の部分を言ってくれます。
  3. 小回りが利かせて改善を繰り返す(PDCAサイクル高速回転) 1.2の方針をもとに、できるだけ短いスパンで改善をしていくことにしました。とにかく他社に比べて、予算が少ないのは不利ですが、他社の状況などを代理店にヒアリングすると、大手や競合はいったん予算と方針を決めると、いざ実行に移った後には、なかなか軌道修正ができないということがわかってきました。そこで、この分野は判断の全権を私が持ち、週次・日次で方針や反応の見直しを行うことにしました。
 

3.いよいよ作戦開始

1)ホームページを採用宣伝マンに

さて、作戦開始です。まず取り掛かったのが、ウェブサイトの全面刷新です。もともと当時はサイトが無いも同然の状態だったので、作成は計画に入っていました。ただ、これを採用重視(というかほぼこのためのもの)にし、会社の採用宣伝に特化させました。 具体的には、事業内容は必要最小限に抑え、先輩社員の声を20~30名掲載。そのすべてのインタビュー対象と、ヒアリング内容を私が精査・選択し、インタビュー自体も私がすべて行いました。そうすることで、前出の【若くてもチャンスがある】【自分の意見を言いやすい】【お客様の喜びの声が直接聞ける】というキーワードを外すことなくインタビューを実施できます。 新卒採用で応募してくれる人で企業のウェブサイトを見ない人はいません。このサイトに共感してくれる人ならば、会社として歓迎する人材は増えはずですし、これらのアピール事態が差別化になるはずです。 実際これは非常にうまくいきました。サイトをキチンとみてくれた人間は、強く共感するか、「これは自分には合わない」と辞退するかに分かれていったのです。あまりにも共感しすぎて、アポも入れずに現場見学に来る学生がいたりしましたが(苦笑)  

2)ダイレクトメール攻撃をスポーツ系専門学校を中心に何度も

当時は大手の採用サイトを使用していました。このサイトは登録している学生に対して、ダイレクトメール(DM)を送ることができました。上限があるので、これをスポーツ系専門学校に絞ってうちました。ただ、内容はかれらに響くように、介護がいかに尊いかではなく、【若くてもチャンスがある】【自分の意見を言いやすい】【お客様の喜びの声が直接聞ける】を実例を出しながら訴えかけます。 細かくカテゴリーを分けて打ちましたので、内容を修正し、切り口を変えて、何度も送ることができます。結果、反応率も数%(これは他社と比べて異常に高いそうです)を稼ぎ出し、ここからエントリーを獲得することができました。  

3)会社説明会は会社説明をしない

方針の2にある企業文化という点に絡んでくるのですが、私が行った会社説明会は会社説明をあまりしないと有名でした。それは会社の業務内容や待遇など一般的なことはウェブサイトに載っているので、せっかく足を運んでくれたのなら、ウェブサイトに載っていない情報を提供したいと思ったから。 そこで会社説明会では、会社を今後どうしていきたいかという私の想いと新卒の学生にとって、会社を見極めるときポイントを解説を行いました。これを制限時間のほぼ半分くらいをそれぞれ使います。通常の会社説明ではえらい役員の方や社長が冒頭数分挨拶(多くは退屈な)をして、その後採用担当者が引き継ぎます。会社は大きなプロジェクトなので、トップの想いや情熱で惹きつけるべきです。でも組織が大きくなるとそうはいかない。ここも攻めどころだと考えました。 結果、うちは「今後こういう会社になっていきます!」「みんなが他の会社を回るときはこういうところを見極めないとダメだよ」といった変な説明会を繰り返していました。 これも大変好評で次の年度は「キャリアカウンセリングにのる!」という企画に進化させたりしました。  

4)選考に現場見学を必ず組み込む

採用選考の面接自体は非常にシンプルで、説明会のあと集団で1次を行い、2次を1対1で実施。3次でほぼ確定というもので、今から考えれば、ちょっと怖い気もします。ただ、2次と3次の間に必ず現場見学と体験をさせました。 実際いくら採用でいいことを言っても、入ってみてからの印象が違うと離職につながります。介護も入社3年以内の離職率は平均よりも高いです。   newd   なので、いい面も悪い面も見てもらって、判断をしてもらいます。 そんなことをしたら、幻滅してしまうのでは?ともいわれます。が、大事なのは悪い点も改善を進めるという意思があるかどうかで、そこさえ気を付けていれば、学生の皆さんは頭がいいのでキチンと理解してくれます。 結果的にこの当時入社した新卒社員は今まで一名も欠けることなく、頑張ってくれています。  

4.作戦実行の結果

一番、覚えているのは最初の会社説明会です。別途近くの公民館に会場を借りていたのですが、ドアを開くと黒山の人だかり。上場もしていない、大阪でも地方都市開催で、規模もそれほど大きくない介護関係の会社の会社説明会に本当に多くの人が参加してくれました。 人がいないと説明する側も力が入らないものですが、多すぎると逆にビビるもんですね。とりあえず元気に挨拶するかと大声で挨拶すると、学生からはその数倍の挨拶が返ってきて鼓膜が破れるかと思いました。 こういったことを実施ながら、説明会の内容を変えたり、DMの打ち出しを変えたり、試行錯誤をずっと続けました。そして内定を総定数出すことができ、採用活動を締めくくることができました。 行動の最中は必至でしたが、後日新卒採用の代理店と打ち合わせするときに結果を改めてみました。 それがこちらです。 result   書ける部分と書けない部分があるのですが、これは、介護業界の大手や他社と比べると、10倍以上のコストパフォーマンスです。代理店の担当者がビックリしていました(ニヤリ) 介護の業界でもビジネスモデルが比較的珍しい(リハビリに特化)していたということもありますが、それを差し引いても、上手くいった例です。 この過程で失敗も山ほどしてるのですが、それはまたの機会に。  

まとめ

取り組んだことは、シンプルで  

自社の社員のような人にどうすればリーチできるかを考え、動き続ける

  これに尽きるかと思います。 その結果が、先輩社員の声であり、ちょっと変わった説明会やDMの切り口を探り続けることです。シンプルで単純な代わりに、お金だけ払ってあとは任せるということはできません。会社のことを良く知っている人でなければ、その魅力は伝えられないです。 これはリファラル採用にも通じるところではありますが、逆にわかっている企業はやっているということで、やれば結果は出ます。予算が限られる企業こそ改めて自社の強みを振り返って低コスト・高パフォーマンスの新卒採用を成功させましょう!!!      ]]>

この記事を書いた人

山本 浩平