こんにちは。 engitの山本です。 皆さんが専門職、例えば薬剤師や看護師や医学療法士に柔道整復師といった専門職を採用する場合、どのようにして、相手の資質を判断していましますか?実は先日、介護関係の会社の方から
「看護師や柔道整復師などの専門資格保有者を面接することが難しい。私はあくまで事務局の人間なので、その経験をいくら言われてもグレーにならざるを得ない」
という相談をいただきました。 今回はこのときアドバイスした、私がオススメする面接のメソッドについて書いてみたいと思います。
面接力が劇的UP!明日からできるバリューライン面接法
1.専門職の採用面接で悩んだ日々
上記のようなことに悩んだ経験が私にもありました。当時は介護の会社で、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、それに看護師などを採用していたのですが、これが中々難しい。 もし自分が彼らと同様の資格と経験をもった専門職であったら、そこまで困っていなかったと思いますが、そうでなければ、彼らの語る言葉の意味自体わからず、逆にこの会社大丈夫かと思われかねないとドキドキしていました。結果当初は、「どういうときに困難なことを乗り越えたのか」といった新卒の見極めに使うような問い掛けに終止していました。 コレではいけないと、自社の同職種の人間に一次面接を担当してもらい、最終面接で私が見るなども試してみましたが、これも、その社内の人物への人事的な信頼感があるかどうかで、結果に影響を及ぼします。カンタンにいうと、社内的に評価できない人間に、採用する人間を見極めさせるという矛盾に直面する可能性があるんですね。また専門職種というのは多くの場合、現場に常駐が義務付けられています。その為、面接のような不定期なイベントに時間を取ってもらうことは非常に難しくなります。現場の人件費を圧迫してまでそのような対応をして良いのかと、会社全体の運営にも携わっていたので、思い悩んでいました。
2.履歴書の職歴から価値観がわかるバリューライン面接法
この方針転換から、道が開けたように色々なアイデアが実現して、面接の見極め及び応募者に対する理解が劇的に改善したのですが、中でもオススメしたいのがこのバリューライン面接法です。 コレは私の造語なのですが、履歴書の職歴に関してテンプレートのような質問を繰り返すことで面接官や人事部門としての経験が浅い方でも、応募者の価値観や自社に合っているかどうかを浮き彫りにする方法になります。履歴書の職歴の横棒に注目するので、バリュー(価値観)ライン(線)と名付けました。 以下にその流れと、具体的な質問を説明します。1)バリューライン面接法の概要
バリューライン面接法の基本的な考え方は、『人間の価値観は、重大な判断を下す瞬間に一番明らかになる』です。普段我々は、何気なく小さな判断を無数に行っています。お昼何を食べようか、からどのテレビを見ようかといったことまで数限りなくです。 これらにも、価値観は当然反映されますが、重大な事柄であればあるほど、自分の価値観が判断基準になっていきます。だからそこを詳しく聞くことで、その人がどういったことに心地よさを感じ、何に不快さを感じるのか、そういったことがビックリするぐらい見えてきます。これを捕らえて、その人の価値観を採否の判断基準にするのが、バリューライン面接法です。 では重要な判断とは何か、それが離職・転職のキッカケです。 多くの場合、離職や転職は大きな決断です。生活がかかっていれば尚更で、その決断を想い実施するまでには色々な葛藤があるはずです。ココを聞くことで、その人が見えてきます。2)具体的な流れ
では、具体的な方法をご説明します。 中途採用で説明をしますが、新卒の場合でも、聞く対象をアルバイトとか部活などに変えれば応用できますので、そのように考えてください。 まずは、履歴書の職歴をチェックします。キチンとした方であれば、入社と退社が両方丁寧にかかれています。途中でしばらく仕事についていない期間などがある場合は、ここもチェックしておいてください。(下図の☓☓テクノロジー退社後など)



3)バリューライン面接法でわかること
こういったことを丁寧に繰り返していくと、5つの職歴がある人には10回の人生の岐路において、「どう考えたのか」「何があったのか」「それに対して、同対処したのか」ということを聞くことができます。それは良くも悪くも、その方の生々しい言葉で語られるものであり、「前職では◯◯という仕事をしていました・・・云々」などいういくらでも準備が出来るものとは比較にならないほどの真実を伝えてくれます。 良くも悪くもという風に書いたのは、「あまり考えずに転職している人」ということも実は明らかにしてくれるからです。まあ、そういった方は採用しなければ良いのですが、コレだけ丁寧に聞くと、こちらも体力を消耗するのですが、その都度「別に」「特に理由はないです」などと言われると結構疲れるんですよね。 また、同じ内容でも捉え方によってこちらの判断も変わります。そのため、答えた内容を判断する能力を逆に面接担当者側は求められますので、この辺りは会社ごとに、同判断するべきかということを上司の方と議論すると良いかもしれません。 例えば転職歴が非常に多い人でも「上司が嫌」「人間関係が合わない」「思っていたのと違う」と周囲に理由を求める場合と、「ここでこれを学んだので次のステップへ」「知人からどうしてもとヘッドハンティングされて」「自分の新しい可能性を見つけたくて、異業種に」という方では随分と違ってきます。このように内容に寄って判断が変わってくるのはわかると思います。ベテランの人事の方はこういったことを少ない質問で見抜いたりもできますが、経験が浅いとそうはできません。だからこそ、このように質問する内容や質問の仕方を決めておき、その返答に対する判断をトレーニングすることで非常に効率よく能力の高い面接担当者を育成することができます。まとめ
バリューライン面接法のポイントは- 退職/転職に対して理由などを聞くことでその人の価値観を理解する
- 質問は全ての職歴に対して行う
- 上司や経験者と相手の回答に対しての判断を擦りあわすことが重要